唐揚げ、カツ、牛肉…美味しいものが詰まった夢のスパイシーカレー!法人化を目指して挑戦を続ける(岩井 義明 / Spice32 本町店101)

大阪の本町にあるSpice32 本町店101は、カレー好き、辛いもの好き、体育会系であれば間違いなく大満足のお店です。

少年の夢を具現化したような素敵なカレーを提供する岩井さんは、「飲食店をやりたい」ではなく幼い頃から「経営者になりたい」と夢を抱いてきました。キャリアのスタートは警察官で、警護や物流、商社を経て独立に至っています。

仕事内容も業界も異なる場所から、どのような経緯で飲食業を開業したのでしょう。また、岩井さんは子供が大好きで、警察官時代から少年剣道の指導に打ち込んできました。少年剣道での指導のお話や、今後の展望についても伺いました。

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プロフィール

岩井 義明(いわい・よしあき)
1969年、大分生まれ大阪育ち。上宮高等学校を卒業後、大阪府警に奉職。11年働いたのち、民間の身辺警護会社に転職。その後、物流会社、商社勤務を経て飲食店を開業。

剣道は小学校からはじめ、スポーツ推薦で高校に進学。高校時代は近畿大会でベスト8に。警察官時代は地域の子供たちに剣道を教え、剣道再開後も指導者として活動。現在五段。

店名Spice32 本町店101
所在地〒541-0048 大阪府大阪市中央区瓦町4丁目3−14
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電話番号06-6210-3231

唐揚げ、牛肉、カツ、キャベツ…ボリューム満点のカレー!

──すごく豪華なカレーですね!!カレーに唐揚げとカツまで乗っているなんて贅沢です。しかも中に牛肉も入ってますね。

Spice32はフランチャイズなのですが、「カレールーだけ必ず使って欲しい」と言われていて、それ以外は僕が自分でアレンジしています。トッピングの揚げ物も、カレーの中に入っているお肉も僕のレシピです。ピンクペッパーも、一般的にはマリネやサラダに入れることが多いかと思いますが、あえてカレーに入れてみました。

とん&から 肉入り ご飯(中)1,400円に千切りキャベツ 80円をトッピング

──ピンクペッパーは白魚に添えられることが多いですよね。アクセントになって凄く美味しかったです。カレーメニューはご自身で色々と研究されているのですか?

そうですね。料理にもともと興味がありましたし、昔からお店でご飯を食べる際に「自分だったらこうするのに」と考えることがよくあったんです。

例えばご飯の量。やっぱり、僕は体育会系なんで(笑)お店で「大盛り」を頼んでも僕がイメージする「大盛り」がなかなか出てこなくて。「大盛りって言ったらそりゃもう、茶碗にてんこ盛りやろ!」と(笑)

だから、うちのカレーはボリューム大きめです。メニューによっては、ご飯にプラスでキャベツもあるので。お客さんは「『大盛り』って書いてあるけど、こりゃ『特大』やな」とよくおっしゃってます。

辛さ<★★>のフリーティーカレー ご飯(小) 700円

──「小」を注文しましたが、確かにほかのお店の「大盛り」のボリュームでした(笑)唐揚げが特に美味しかったです。何かこだわりがあるんですか?

唐揚げも牛肉も、しっかり仕込んでいますよ。自信を持って美味しいと言えるレシピです。多少調味料を変えることはあるけど、このお店が始まるずっと前から同じレシピで作っています。

──私、辛いものが大好きなのですが、お店に来る前に「Spice32のカレーは辛いぞ」と言われていたので、念のため今回は甘口を頼みました。ちょうど良かったです(笑)

「甘口」でも「辛い」と感じる方もいるようですね。「甘口」が一般的なカレーの「普通」もしくは「中辛」くらいかもしれません。

──ちなみに、夜の時間も営業なさってるんですね。

はい、夜は居酒屋です。カレー以外にも色々メニューを出していますよ。

僕は常々、柔軟な対応ができるお店でありたいと考えていて、時間が来たから「もう閉店です」ではなく、逆にお客さんに「終電、大丈夫?」と聞くくらいの気持ちでいたいと思っています。カレーのご飯にしても「足らんかったら入れたるで」と聞いてしまうくらいです(笑)

──あたたかくて親やすいですね。ちなみにお客さんは剣道関係者の方が多いのでしょうか?

そうですね。僕がもともと警察官だったこともあり、警察の方々はもちろん、有難いことに全日本選手権でご活躍するような有名選手の方々も同級生を誘って集まってくださいます。

子供の頃から抱いてきた経営者への憧れ

──もともとは警察官として働かれていたのですか?

はい、高校卒業後11年ほど大阪府警に奉職しました。そのころはガッツリ剣道やってましたよ。その後、身辺警護会社での勤務を経て、物流会社、商社で働きました。

──そこからどういった経緯で飲食業界に飛び込まれたのでしょう?

飲食業界というより、僕は子供の頃から経営者になりたかったんです。親友のお父さんが会社を経営していて「社長さんてすごいな」と憧れていました。仲が良い友達も起業に興味があって、中学校の頃は「いつか何か自分の事業を持ちたいよね」とよく話していたほどです。

やりたい事業がハッキリ決まっていた訳ではなかったので「チャンスが巡ってきたら、自分で会社を持って経営をしたい」と考えて準備していました。

物流会社では危機管理室に所属し、安全管理やコンプライアンス、会社の規定やISOにも関わる仕事をしていて、ここで会社というものの仕組みをだいたい理解できました。

──起業しようと思ったタイミングはいつでしたか?

商社で働いていた時に、以前から懇意にしていただいていた会社の社長さんが「引退するから会社を継いでくれへんか」と誘ってくださったんです。「喜んで」と、全て捨てて飛び込みました。でも色々なことが重なって事業継承はしないことになり、このカレー屋を始めました。

──カレー屋さんを選んだのはどうしてですか?

物流会社時代に知り合った方に、フランチャイズのカレー屋さんを紹介されたんです。当時は『スズメバチカレー』という名前でした。

フランチャイズだったらノウハウも教えてもらえるし、飲食経験がなくともできるかもしれないと思ったんです。軌道に乗ったら次のステップへの弾みにもなるだろうと、思い切って開業しました。『Spice32』に屋号変更した今もフランチャイズですが、以前から変わらずこの場所でお店をしています。色々な人に支えていただきながら、2021年12月で7年目を迎えました。

──独立されてみてどうでしたか?

やはり大変ですよね。でも、僕らは今恵まれていると思います。SNSが普及してくれたおかげで気軽に情報発信ができるし、お店を気に入ってくださったお客さんも宣伝に協力してくださいます。また、僕は剣道の同級生の会「獅子冴会」に所属しているのですが、オープン当初から剣道仲間が人を連れてきて盛り上げてくれました。

子供たちに「剣道は楽しい」と感じてほしい

──剣道はいつから始めたのですか?

小学校2年生からです。親に言われて、近所の友人たちと一緒に通い始めました。中学の時にスポーツ推薦をいただいて上宮高等学校に進学し、近畿大会でベスト8になりましたね。卒業後、大阪府警に奉職しました。

──大阪府警でも剣道を続けられてたんですよね。

そうです。ただ、特練ではなく町の所轄署に所属して子供たちに剣道を教えていました。

そこでは、「先生」というより「剣道の先輩」と接していたというか…あくまで彼らの「お兄ちゃん」でありたかったんです。子供らと一緒に遊んでいるような感覚で、剣道を一緒に楽しんでいました。その姿勢でいると、もう、子供たちが可愛くてね。「なんとかこの子らを強くしてやらんと」と、熱くなってくる。すると、子供らもつられて熱くなってくれました。

──警察を退職なさってから、剣道は一度中断しているのですか?

15年ほど離れて、45歳から再開しました。きっかけはサンコー物産株式会社の細川さんが主宰している鑽己会(さんこかい)です。先輩や同期が所属していて、自分磨きのために久しぶりに再開しました。

コロナ禍以前は少年剣道の指導にも2年半ほど携わる機会をいただいていました。

もともと剣道を再開した当初は「ゆっくり六段を目指したいな」くらいの気持ちだったのですが、友人に紹介してもらった剣道道場に少年剣道の時間もあり、その時間にも顔を出すようにしていました。

──ずっと少年剣道の指導をしていらっしゃいましたし、子供が好きだと関わりたくなりますよね。

そうですね。でも、あるときその道場の練習日が変更になってしまい、稽古に行けなくなりました。以前参加した少年剣道の合同合宿でご一緒した榎本剣友会に相談したところ、ちょうど僕が行ける曜日に稽古があったので、お世話になることにしたんです。

そこの会長さんがある日、わざわざうちのカレー屋に来てくださって、「僕もそろそろ退いて、若い人に指導をお願いしたいんだ」と、おっしゃったんです。「いやいや僕なんかが」と言いながらも、子供らに教えるのも好きなので「僕でよければ、お願いします」と、指導をやらせていただくことになりました。たまたまご縁いただいたというか、本当に有難いです。

──子供が本当にお好きなんですね。子供たちに一番伝えたいことや、こんな風になってほしいという願いはありますか?

剣道をする目的は人それぞれ違うので難しいですが…やっぱり剣道を楽しんでほしいですよね。

僕は子供らに剣道を教えるときは、とにかく好きになってもらうことを意識しています。「剣道って、なんでこんなんなんやろ…」ではなく、「剣道って苦しいし、しんどいけど、楽しい」と思ってほしい。「楽しい」までいかなくても「嫌いじゃないな」と感じてもらえたら嬉しいですね。

──子供の頃は特に、「楽しい」って気持ちがないとなかなか続けられないですよね。

そうですね。僕一つ忘れられない思い出があるんです。

福井県での合宿に参加した際に、他の道場から来たある男の子と稽古したんですよ。その子は、合宿から帰ったら剣道を辞めるつもりだったんです。最後だからと、嫌々合宿に参加していた。

その時の稽古で、僕の言葉を聞いて嬉しかったみたいで「もう一回がんばります」って剣道を続けてくれたんです。大した指導はしてないんですけど、子供を一人剣道に戻してあげられて良かったなと。親御さんから指導者の方からも感謝していただいて、嬉しかったですね。

剣道に限らず、どんな人でも生きていれば、必ず「その人にとっての試練」がやってきます。それを乗り越えて、剣道も人生も楽しめる大人になってほしいんです。苦しいことを乗り越えたからこそ生まれる「楽しい」って言葉もあると思うんですよ。

僕は子供たちが剣道を続ける・続けないより、剣道をきっかけにお友達をたくさん作ってほしいんです。剣道のおかげでプライベートも仕事も、人と人が繋がっていきますもんね。

飲食をやっている以上、僕が感染してしまうとたくさんの方に迷惑がかかってしまうので、今は剣道はなかなかできていませんが、今後も少年剣道には携わっていきたいと考えています。

事業の充実のためにも、私生活を正す

──お店を運営していく上で大事にしていることやこだわってることはありますか?

子供らに接しているのと一緒で、お客さんにも楽しいと感じてほしいし、そのためにも柔軟な対応を心がけています。

あとは、仕事だけではなく私生活も含めて規則正しくあること。私生活がしっかりしてないと、お店や会社もどこかでつまづいてしまうと思うんです。飲みにいく時も次の日に残るようなお酒は飲まないよう気をつけています。

先ほどお話しした「獅子冴会」では、経営に携わる方や、企業で重責を担う方、大学の名監督と呼ばれる八段の先生などがいて、とても刺激をいただいています。責任を背負うことに加えて、周りの人たちを引っ張るリーダーシップをとられてるんです。そういった方々と接すると、やはり私生活もきちんとされているなと感じます。

──重い責任やプレッシャーがあってもなお、事業をやってよかったと思うのはどんな時ですか?

人との出会いですね。お店を運営してきたこの7年間で出会った方々から得たこと、学んだことは計り知れません。人との出会いやお客さんが、僕の財産です。皆さんに支えていただいたおかげで、事業を続けることができたんだと思います。

──人との出会いをすごく大事にされているんですね。

基本ですよね、人が生きていく上で…。そこを杜撰にしてしまうと、どこかで歪みができてしまうし、何より楽しくないと思うんですよ。

事業を大切に育て、法人化を目指したい

──子供の頃描いていた夢、憧れの場所に立っていると思いますか?

いや、まだまだ立ってないですね。やっぱり僕は、法人化が一つの目標なんです。

今の事業にしっかりと向き合いつつ、コラボレーションも歓迎です。例えば、何か売りたいものを僕に卸してもらってお店で売るとかね。夢は広がるし、やろうと思えばなんでもできると思うんですよ。

──新しいご縁とや事業アイデアなど、一緒にできることがあったらやっていきたいと。

はい、おそらく皆さんも人のご縁がきっかけでお店や会社を始めたり、事業が広がっていくことがあるのではないでしょうか?

僕、まだ52歳ですもん。僕ら個人事業主や自営の経営者には定年がないので、何か面白いこと・新しいことがあればどんどん挑戦していきたいですね。

今は中断してしまっていますが、少年剣道にも携わっていきたいです。その時は「教える」というよりも、変わらず「子供たちと一緒に剣道を楽しむ」という姿勢でいたいですね。

──仕事に対しても子供たちに対しても、真摯に向き合うとても真面目な方だと感じました。そしてカレー、とっても美味しかったです!読者の皆さんが大阪にいらっしゃる際は、ぜひお立ち寄りいただきたいですね。本日はどうもありがとうございました。

個人会員特典

店舗名Spice32 本町店101
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所在地〒541-0048 大阪府大阪市中央区瓦町4丁目3−14
TEL06-6210-3231
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