東京都・北千住にオープンした美容エステサロン「LUSTIA(ラスティア)」。まだオープンして間もないにも関わらず、すでにリーピーターも続出する人気のエステサロンとなっています。経営者としてはもちろん、自身もエステティシャンとして運営に携わっているのが久保田圭さん。男性で、しかも剣道家である久保田さんと美容健康事業との接点には大いに興味を惹かれますが、この事業は久保田さんが願ってやまなかったもの。落ち着きを感じさせる、どこか隠れ家的な店舗の佇まいも、久保田さん自身が望んだスタイルです。もともと営むコンサルティング事業、インバウンド事業に加えて、今回美容健康事業をスタートさせた久保田さん。その意欲的な取り組みの根底にあるのは、なによりもお客さまとのふれあいを大切にしたいという熱い思いでした。
プロフイール
久保田圭(くぼた・けい) 1975年11月9日東京都生まれ。東京都文京区にある京北幼稚園通園時に、京北剣友会で剣道をはじめる。その後、京北中学校・高校(東京)、和光大学でも剣道部に所属。社会人となって以降は住宅メーカー、国際物流企業などに勤務し経験を積み重ね、コンサルティング事業で独立。現在はその事業に加えて美容エステサロン「LUSTIA」を経営。剣道体験インバウンド事業「SAMURAI DOJO」も運営している。剣道四段。
美容エステサロン「LUSTIA」で剣縁会員のデジタル会員証を見せると、施術体験が通常9,800円のところ1,000円OFFでご提供。ご予約の際は、担当スタッフ「KEI」をご選択いただき、メッセージにて「剣縁を見た」とお伝えください。
さらにオプションサービスで「30分延長」などをご提供。例えば、フェイシャル体験に加えて背中の筋膜リリースも体験といった感じ。久保田圭さんとご相談ください。
美容エステサロン「LUSTIA」
https://kebrointernational.com/lustia/top/
剣道体験「SAMURAI DOJO」
https://kebrointernational.com/samuraidojo/top/
自分自身の変化に感動!
お客さまにウキウキを届けたい

清潔感と落ち着きが感じられる空間は北千住駅から徒歩5分という好立地にある
―― 美容エステサロン「LUSTIA(ラスティア)」を経営する久保田圭さん。いまや美容への関心は性別を問わないとは思いますが、それでも久保田さんがなぜエステサロンを開業しようとしたのか、その点に大いに興味が湧きます
そうですよね(笑)。僕は50歳になるのですが、同世代の多くの男性と同じくもともと美容健康のジャンルに興味なんてありませんでしたから。
僕が社会人となってすぐに勤務したのは住宅メーカーで、そのあとは国際物流の業界に転職しました。大まかにはずっと営業職だったのですが、その過程で大手企業において事業改革に取り組んだり、スタートアップ企業のサポートだったり、企業の様々な課題を解決するためのスキルが高まっていった。そうこうするうちにコンサルティングの仕事を生業にするようになり、独立して立ち上げたのが合同会社ケブロ・インターナショナルです。コンサルティング業務の内容でいうと、クライアントの新規事業立ち上げのお手伝いだったり、近年であれば採用の支援などがメインの仕事となります。
そんな仕事を続けているうちに自然と増えてきたのが美容健康関係のクライアントでした。美容健康関係のお客さまと接していると、当然のことながらサプリメントやエステの知識も得るようになり、実際に自分でも試す機会にも恵まれた。するとそれを試した翌日、仕事でZoomを使ってお話をしていたときに画面に映る自分の顔を見て驚きました。昨日までとは全然違う肌ツヤのよさが見て取れたからで、その如実な変化には感動すら覚えました。それまで自分の肌の状態なんて気にしたことのない僕ですらこんなにテンションが上がるのだから、これが日ごろから美容に気を使う女性となればその感動はどれほどのものだろうと生まれて初めて美容に興味が湧いた瞬間でした。
そして私自身が初めてこの美容健康事業に参入したのは、ECサイトで美容商材を販売する業務だったのですが、実際にお客さまの顔を見ることができないこともあって、その仕事に対してはあまりおもしろさを感じることができていなかったんです。美容への興味が湧いた瞬間、僕の頭に浮かんだのはあるドラマのセリフでした。それは僕が大好きな「北の国から」というドラマ内で観た俳優・田中邦衛さん演じる黒板五郎さんの言葉で、「だからおいらは小さくやるのさ。ありがとうのことばが聞こえる範囲でな」というもの。手広く農作物を手がける農家は消費者の顔も分からず、お礼の声も直接耳にすることができない。そんな状況に対する自分自身の仕事のスタンスとして五郎さんが語ったセリフで、ドラマを鑑賞した当時、これが僕の心に深く突き刺さったんです。それが突如自分の頭をよぎって、自分もまたお客さまと直接ふれあえる仕事がしたいんだと改めて気がついた。そこで決意したのがエステサロンの経営でした。

もともとコンサルティング事業でマネタイズはできていることもあり、エステサロンの経営に関しては店舗の家賃分でも賄えればいいかなという気持ちでスタートしました。使用する美容機器や美容液などは正直高額で、商売を考えればもっとランクを落とすこともできました。しかし、ここで妥協をしてはお客さまの喜びにはつながらないので、あくまでも僕が納得したものを厳選して、そのうえで施術の価格を決めることにしました。自分たちの利益を優先せずに価格設定をした結果、いいモノを使っているという自信をしっかりと持ちつつも、お客さまの負担となる金額については現在の市場価格の半額以下に抑えられたのではないかと思います。
エステサロンの場所を北千住に設定したのも、お客さまに最大限の還元ができることを考慮したからこそ。マーケティング的な視点から見れば、より都心の一等地であればターゲットとなる客層も多いのでしょうが、やはり家賃の問題がどうしても大きい。それを考えたときに、あえて主戦場から離れた土地であり、なおかつマーケット的に悪くはない場所を探す必要がありました。北千住は東京メトロの駅での乗降者数でいえば路線で第3位の多さを誇りますし、なおかつ大手エステサロンもいくつか店舗を構えている街です。大手が店を出しているということはマーケット的にも決して悪くないはずですから、この街を選んだんです。もっとも苦労したのは物件探しで、なかなかエステサロンを開業してもいい、という建物が見つかりませんでしたが、奇跡的に出会ったのがこの物件。エステサロンの開業が可能で、清潔感もある新築物件はここしかなかったので、そんな場所を見つけられたのは本当に運がよかったと思います。

―― 久保田さんは経営だけでなく、ご自身で施術も手掛けるんですね
そうなんです、どうしてもやりたくなってしまって(笑)。
使用する美容機器メーカーの研修を受けるわけですが、その最後にテストがあるんです。それをクリアすることでその美容機器を使うエステティシャンになれる。とはいえ、僕自身はそれで終わりにするつもりはなくて、日々の練習を欠かしません。お客さまたちは皆さん、値段が安くて、マシンもよくて、さらに腕がいいからこそ本当に喜んでくださる。美容機器自体はもちろんすばらしいのですが、それをまた最大限に活用できるように機器のモードやレベルなどを切り替えながら、さらなる研究をずっと続けています。

フェイシャル・小顔エステの施術をした結果、大賞を受賞した
―― その甲斐あってか、エステサロンは盛況だとうかがいました
もともとのイメージとしては、コンサルティング事業のクライアントさんで美容に興味のある方などに施術をして、それで少しでも喜んでもらえたらいいかな、という程度の考えでいたので、積極的にWEB広告を展開させることもありませんでした。準備したのはホームページとエステサロンの場所が分かるようにGoogleマップを掲載しただけなんです。施術をするのも僕とこの事業の相棒となる男性エステティシャンということもあって、最初は男性客しか来ないだろうと予想していました。だからはじめは「メンズ専門エステ」と謳うことも考えたのですが、まあ自分たちでわざわざ間口を狭める作業をすることはないだろうと思い直して、通常どおりのエステサロンの看板を掲げることにしたんです。


現在こそ施術メニューに「バストアップ」も加わったこともあって女性エステティシャンも働いてくれていますが、開業当時は男性スタッフ2人の状態。そのままオープンしてみると、なんといらっしゃるお客さまの9割以上が女性で、それも口コミによっての来客が多いのですから僕たち自身も驚きでした。とくにメインとなるのは40代以上の方で、そのリピート率が非常に高いことにも驚かされましたね。
そんなお客さまたちから言っていただけるのは「別にスタッフが男性とか女性とかは気にはならない。安心できるかできないかだ」というご意見で、そう言われてみれば僕たちは施術中になにかをセールスすることはしませんし、ことさらおべっかをいうこともない。そんなところがお客さまが感じる居心地のよさにつながっているのかもしれませんね。
お客さまとのやりとりが忙しいのはむしろ施術のあとで、後日お客さまからいただくLINEのメッセージには「肌の調子がいい!」「キレイになったね、と言われた!」といううれしい言葉とともに「ありがとう!」の言葉が添えられている。おかげさまで、そもそも僕が望んでいた「ありがとうのことば」をどんどん積み上げることができています。
―― エステサロンの店名「LUSTIA」は久保田さんがつけた名前なんですか?
そうです。「輝き」を意味する「ラスタ」と、「活力」を意味する「バイタリティ」を合わせた造語で、まあ造語としてはうまく組み合ってはいませんけれど(苦笑)、ご本人が輝かしく変化したことを感じればやはりウキウキした気分になるもの。そうすればまた新たな活力にもつながると思うんです。そんなウキウキした気持ちを提供できるなんて、これは僕にとって最高の仕事だなと感じます。

剣道のすばらしさをビジネスの現場で実感。
日本の伝統文化を途絶えさせないために
―― コンサルティング事業、美容健康事業とともに取り組んでいるというインバウンド事業ですが、「SAMURAI DOJO(サムライ ドウジョウ)」の名前が示すように、こちらは剣道に関するものだそうですね。ご自身の剣道歴と併せて、その事業の概要をうかがえればと思います
僕はもともと東京都文京区の出身で、剣道との出会いは幼稚園のころまでさかのぼります。当時通っていた京北学園の幼稚園で剣道教室が開設されるということで、指導者の鈴木正明先生が幼稚園に説明に来たんです。そこで話を聞いたウチの父親がずいぶんと興味を惹かれたようで、当時3歳だった僕は剣京北剣友会の第1期生として剣道をはじめることになりました。
京北学園には小学校がないので小学校は区立の学校に通い、中学からはまた京北中学校に入学しました。京北高校でも剣道に入部して、結局剣道をはじめたころからずっと鈴木先生に指導をいただくことになります。当時の京北学園の剣道部は熱心に活動していて、東京都内ではそれなりの活躍をしていたんです。僕自身の戦績でいうと中学生時代は東京都の団体戦で2位になって関東大会に出場を果たしたのが最高戦績。高校時代は東京都でベスト8に進出したくらいだったと記憶しています。
中学、高校の稽古がだいぶ厳しかったこともあって、高校卒業後は剣道はひと段落という思いが僕にはありました。だから大学進学は剣道に頼ることなく、一般の推薦試験を経て東京都町田市にある和光大学に進学したんです。当初の希望どおりに大学では楽しく普通のキャンパスライフを送っていたのですが、しばらくするとやはりどこか心に物足りなさを感じるようになってきた。その結果、大学でも剣道部に入部することにしたのですが、和光大学剣道部は関東学生剣道連盟に所属している体育会ではなく、新日本スポーツ連盟という団体に加盟しているサークル的な剣道部。体育会の部活動とはまた違った和気あいあいとした雰囲気ながらも、週に3、4回は稽古に取り組み、さらに試合にも出場したりと、学生時代はとても楽しく剣道に取り組むことができたと思います。


当時久保田さんはチームの次鋒を務めた
―― 社会人となって以降は?
大学卒業後にはやはりブランクの時期はあって、完全に辞めるということはなかったにせよ、人から誘われればそのタイミングでちょっと稽古に行くという程度の取り組みに変わりました。そんな自分にとっての大きな転機となったのは35、36歳のときで、僕の息子と娘が剣道をはじめるようになったんです。二人が通う道場で僕自身も復帰を果たすことになり、それがきっかけとなってはじまったのが剣道のインバウンド事業でした。
剣道に本格的に復帰し、息子や娘の試合を応援に行くようになると、5人制の大会にも関わらずメンバーが揃わないチームをたくさん見かけるようになりました。また僕の母校である京北中学・高校の剣道部も、学校自体の方針が変わった影響も少なくないのでしょうが、都大会でもほぼ姿を見かけなくなりました。そんな現状を目の当たりにしたことで僕が抱いたのはやはり危機感。「これからの剣道って大丈夫なのかな……」と不安を覚えずにはいられませんでした。
そこで剣道について自分なりにいろいろ調べてみると、剣道を辞めてしまう年代は一番多いのが高校生で、その次が大学生だというデータを見つけた。それを見て思ったのは「自分もそうだったかも…」ということで、僕自身の記憶を振り返ってもやっぱり高校生時代が一番キツかった。練習はとても厳しくてツラいのに、いくら試合で活躍しても学校や世間から注目を受けるのは野球やサッカーなどの人気の運動部ばかり。若い世代の子たちが剣道から離れてしまう理由は、僕自身にも容易に想像ができました。どうにかその年代の子たちが「剣道をやっていてよかった」「剣道ってスゴいんだ」と思える瞬間を創出してあげられないかと考え、そこで思いついたのが剣道のインバウンド事業でした。
日本を訪れる外国人の観光客の方々は我々日本人以上に日本文化が大好き。そんな海外の方を僕が集客して、そこに高校生や大学生の「剣道はもうそろそろいいかな……」と思いはじめているような子を呼んで、僕といっしょに訪日外国人の方に剣道を教えてもらう。おそらく外国人の方は日本の伝統文化である剣道に感銘を受けてポジティブなリアクションを返してくれると思うんです。普段剣道に魅力を感じられずにいる若者たちがその場に居合わせることができれば、自分のやっている剣道を誇らしく思えるだろうし、海外では剣道が好意的に評価されることに気がつく。だから、この事業は表向きは外国人に向けた剣道教室ではあるものの、僕自身には剣道を世界に広めたいなんていう大それた考えはなくて、実は国内の悩める若い剣士たちのための事業。なかなか剣道に価値を見出せない若い世代に向けて、逆輸入的に剣道の価値に気づいて欲しくて取り組んでいるものなんです。

この復帰がインバウンド事業のきっかけとなった
―― とてもすばらしい試みだと思いますが、久保田さんのそれほどの剣道への情熱はどこから来るのでしょう?
かつて僕が国際物流の企業にいたとき、事業部長としてとある部門の事業改革を任されたんです。当時の僕にとっては大抜擢ともいえる起用ではあったのですが、いざ取りかかってみればビジネスモデル自体が破綻していて、売り上げも下降の一途。もちろん社員のモチベーションも低下しているという最悪の状態だったんです。自分なりに当時の社会人経験のすべてを注ぎ込んでなんとかしようと手を尽くしましたが、それでもまったくうまくはいかなかった。
途方に暮れた僕に残されたのが自分の人生のなかでもっとも長い時間を費やしてきた剣道だったんです。剣道で学んだいろいろなことをビジネスに反映して取り組むことにした。それこそ「これでダメなら俺を抜擢した会社が悪い」というほどに開き直ってやってみた結果、なんとそこから事業改革がうまく行きはじめたんですよ。そのときに僕自身がやっと剣道の価値に気がついたんです、「俺はこんなスゴいことを学んできたのか!」って。だからいま剣道を辞めてしまいそうな若い世代に対して「いまは苦しいかもしれないけれど、みんなはとてもスゴいことを学んでいるんだ。剣道をやっているってことはすばらしいんだ」と伝えたいんですよね。
―― 「SAMURAI DOJO」は具体的にはどのような内容の体験教室なんでしょうか?
まずは武士道の精神をお話しさせていただいて、これが決して単なるチャンバラ体験じゃないことをお伝えさせていただきます。そして剣道が「礼にはじまり礼に終わる」という道徳観を持つ武道であることを説明して、それを体験してもらうんです。そのあとは剣道着・袴、胴と垂れだけを身につけてもらって、足さばきと竹刀先の練習です。皆さん剣道初心者ですから、肌に密着する面と甲手は衛生面を考慮してここではつけず、「SAMURAI DOJO」のオリジナルの鉢巻を頭に巻いてもらうことにしています。最後は、防具をすべて身にまとった僕に対して実際に竹刀で打ち込んでもらう。打突部位には紙風船をつけるので、それを割ってもらうようお客さまには全力で打ち込んでもらうことにしているんです。練習が終わって最後の礼をしたあとには道場の雑巾がけまでしてもらって、これがひととおりの内容となります。
僕自身、いま大きく三つの事業を営んでいるわけですが、とくにこのインバウンド事業については剣道への思いのみでスタートしたもの。ビジネスとしてどのように成り立たせていくのかは、まだまだこれからという段階ですね。

この日はSNSで34万人ものフォロワーがいるアメリカ人女性インフルエンサーが剣道体験を楽しんだ。
参加者が頭に巻くのは「SAMURAI DOJO」オリジナルの手ぬぐいだ
―― それでは最後に、久保田さんの今後の展望などをおうかがいできればと思います
コンサルティング事業でしっかりとマネタイズしながら、美容エステサロンで「ありがとう」を積み上げつつ、そしてインバウンド事業は粛々と進めていくイメージを描いています。そのうえで僕が最終的にやりたいことは、地方創生と日本文化の継承のお手伝いなんです。
剣道のインバウンド事業を推し進めるなかで僕は多くの発見と気づきを得ました。体験教室のテナントを浅草で探していたときのこと。その近くでサムライ体験のビジネスをされている社長さんに呼び出されたんです。もしかしたらビジネス的に競合になり得るということで怒られるのかなと心配して出向いてみると、お話はまったく違っていて、その第一声は「助けてほしいんだ」という言葉でした。そのサムライ体験はもともと俳優だった方がやっているもので、いわゆる「殺陣体験」をメインとした内容。訪日外国人にも人気の教室で今後の予約もたくさん入っているというのに、それでも社長さんは「困っている」とおっしゃる。
詳しくお話を聞いてみれば、その体験に参加する海外の方々はすでに「サムライ」や「カタナ」、「ブシドー」などに関する多くの情報や知識を得て来日しているので、ちょっとした質問でもレベルがかなり高いんだそうです。一方、「殺陣」がメインの教室ではスタッフが武士道や侍のルーツ・歴史などに精通しているわけでもなく、剣道経験者がいるわけでもない。参加する海外のお客さまを満足させられない例が増えてきて困っている、という相談でした。その話を聞いたときに僕が不安を感じたのは、これだけ海外から多くの観光客が来る昨今、いつか日本の文化が表面的なものになってしまうんじゃないかなという懸念でした。
インバウンド事業に取り組むなか、僕には多くの仲間もできました。それは書道や茶道、華道、和太鼓、雅楽といった日本の伝統文化の方々です。それらの伝統文化もまた剣道と同様で、放っておけばどんどん衰退してしまいかねないものばかりで、とくに地方に行けば行くほど継ぎ手がいなくて途絶えてしまう文化は山ほどあります。
もし、それらの文化に海外の方が興味を抱いたときに我々日本人はどう対応すればいいのか。浅草のサムライ体験のように僕のようなバックグラウンドのある人間に声をかけるならばまだ誠実で、安易にビジネスチャンスととらえて、その文化をよく知りもしないのに見よう見まねで伝えてしまう人が出てきはしないか。もちろん伝統が途絶えてしまうことはまず根本的な問題ではありますが、同時にその文化の表面だけをなぞるだけで伝えたり、本質を歪曲して伝えてしまうことも大きな問題だと僕は考えているんです。だからこそ、まずは剣道体験のインバウンド事業をビジネスとして成り立たせ、それをいずれはほかの日本の伝統文化の継承、そしてそれを地方創生にまで活かす。僕のなかでは、自分が最終的にビジネスとして力を入れるべきは、そのふたつだと考えているんです。


この記事へのトラックバックはありません。