剣道用品販売に情報発信、軽貨物事業に不動産仲介業 剣道家の暮らしをまるごとサポート!(上島郷 / Bushizo株式会社 代表取締役、工藤優介 / Bushizo株式会社 取締役)

2017年創業となる剣道用品のECサイト「BUSHIZO(ブシゾー)」。

サイト内には複数の剣道具メーカーの商品がピックアップされ、「剣道用品に特化したセレクトショップ」として多くのユーザーからの支持を得ています。

2020年からスタートした剣道動画専門チャンネル「BUSHIZO TV」も好調で、情報発信メディアとして同社の存在を認識している愛好家も多いのではないでしょうか。

BUSHIZOを運営する上島郷さんと工藤優介さんは、ともに蔵修館金王道場(東京都渋谷区)で稽古を積む剣友同士。

現在、剣道関連以外にも多彩なサービスを提供しているBUSHIZO。

失敗を恐れずにチャレンジを続ける2人のモチベーションを尋ねれば、 そこにはあふれんばかりの剣道愛がありました。

剣縁個人会員特典
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プロフィール

写真左■上島郷(うえしま・ごう)

1987年宮城県生まれ。仙台高校(宮城)在学時には全日本選手権大会2位の戦績を誇る佐藤充伸氏に師事し、インターハイ団体ベスト8の戦績を残す。その後進学した駿河台大学でも剣道部に在籍。関東学生優勝大会ベスト8、全日本学生優勝大会ベスト16などの戦績を収めている。大学卒業後は全米で200店舗展開する外食チェーン店の事業開発責任者、外資インターネット広告運用企業での営業職、株式会社イノーバでの営業部・社長室リーダーを経て、2017年1月にBushizo株式会社を設立した。

写真右■工藤優介(くどう・ゆうすけ)

1984年北海道生まれ。6歳から剣道をはじめる。函館ラ・サール高校(北海道)、立教大学出身。大学在学中にはフリーマガジンの創刊、アパレルブランドのマーケティング支援などに携わる。2008年ヤフー株式会社へ入社。検索連動型広告・ディスプレイ広告などの広告商品の営業に従事したのちBushizo株式会社を設立する。

剣道具セレクトショップ「BUSHIZO」

https://bushizo.com

剣道動画専門サイト「BUSHIZO TV」

https://bushizo.tv

YouTubeチャンネル「BUSHIZO TV」

https://www.youtube.com/channel/UCk0l0Obwj6_U7nGk3y6TMbA?app=desktop

BUSHIZO金沢彩士館店

https://saishikan.com/bushizo%E9%87%91%E6%B2%A2%E5%BD%A9%E5%A3%AB%E9%A4%A8%E5%BA%97/

軽貨物の求人・独立・開業「ロジゾー」

https://www.logizo.co.jp/

事業用軽貨物車・軽バンの格安レンタル・リース 

https://www.logizo.co.jp/lp-1

道場での運命的な再開。
「好きを仕事に」という夢がきっかけに

──剣道界ではすでに高い知名度を誇る「BUSHIZO」ですが、改めて事業内容を教えていただければ。そもそものスタートとなると……。

上島 剣道用品のECサイトを2017年からスタートさせました。私はもともと起業すること自体が夢だったのですが、ずっとIT関係の仕事をしていたのではじめはそちらのジャンルで事業を起こそうかと考えていたんです。しかし、10年先、20年先を考えたときに「はたしてその仕事でモチベーションを保てるか」ということが頭に浮かびました。     

 私自身は社会人となってからは東京の渋谷区にある蔵修館金王道場で稽古をしていたのですが、そんな悩みを抱えているときに出会ったのが現在取締役を務める工藤でした。

工藤 私は中学、高校では剣道部、大学では同好会に所属して、社会人になって以降は剣道からはしばらく離れていたんです。それが当時勤務していたヤフー株式会社に剣道同好会が発足したことで再開。いわゆるリバ剣ですね。そこから剣道にハマってしまって、金王道場に入門したところ、上島と出会うことになりました。実はもともと彼とはそれ以前に仕事の現場で顔を合わせていたのですが、そのときはお互いに剣道をやっていることは知らないままで。ですから道場で再開したときにはかなり驚きましたね。

上島 それからは稽古のあとによく飲むようになって、剣道の話、仕事の話を深くするようになったんです。彼と話しているうちに感じたのは「儲かる仕事よりも自分の好きなことを仕事にしたほうが人生は豊かになるんじゃないだろうか」ということ。私も工藤もインターネットの広告関連の仕事を経験していたこともあって、その知識を活かせば我々が好きな剣道業界でもやれることがあるかもしれない、と。

工藤 私自身もまた「自分が好きなことを仕事にしたい」とは思いながらも、当時はそれが見つけられずに悶々としたまま働いていたんです。そんなときに上島と出会い、「自分が好きな剣道を仕事にできるかもしれない」という夢をもらったんです。

──その出会いが剣道用品のセレクトショップにつながったんですね。

工藤 私自身が社会人となって剣道を再開するときに体験したことがきっかけですね。新しい剣道具を購入しようとしたのですが、とにかく情報を探すだけでも手間がかかりました。数店舗を回ろうと思えば当然それだけの時間もかかりますし、当時はすでにインターネット通販は存在したものの、各メーカー、各店舗ごとに運営しているサイトだけ。だからそれぞれのメーカーの商品を比較して検討することが難しくて。

上島 その頃はもうファッション業界ではネット上にもセレクトショップが存在していて大人気でした。ユーザー側の心理として、やはりそういうサイトが存在すれば便利だしうれしいだろうなって。

──2019年からは、実際に多くの商品を目で見て手で触れられるショールームもオープンしましたね。

上島 お客様からのご意見として「実際に商品を見ることはできないんですか?」という声をいただいたんです。たしかに考えてみれば、決して安価ではない剣道具をネットの情報だけで購入するには不安はあるだろうなと。そのご要望にお応えするためにまずは渋谷にショールームをオープンしたところ好評の声をいただいて、そのあとは私の地元である宮城県仙台市に、そして2022年9月から石川県金沢市にフランチャイズ店としてBUSHIZO彩士館店がオープンしました。

──フランチャイズ展開とはどのような?

工藤 かつて中学校教員として宇ノ気中学校を日本一に導いた榎敏弘さんという方が運営してくださっているんです。

上島 榎さんは教員を退職してご自身で起業をされていて、普段は彩士館という道場で剣道のパーソナル指導をしているんです。剣道場が1階にあって、その建物の2階のスペースをなにかに利用したいと考えたときに剣道具販売を思いつかれたそうで。

工藤 しかしいざ剣道具販売をやろうとしてもやはりノウハウがない。そこで私たちにお声がけをいただきました。

 BUSHIZO金沢彩士館店の特徴としては、竹刀の品揃えが豊富なことでしょうか。剣道防具のお客様に合ったサイズを後日お渡ししていますが、竹刀については気に入ったならばもうその場でご購入いただけます。

上島 オープンからまだ3ヶ月が経過したくらいですが石川県内だけでなく隣県からもたくさんのお客様に足を運んでいただいていると聞いています。

──新しい取り組みはすべて好調なようですね。

上島 いえいえ、実はそんなこともなくて(苦笑)。一時期、無人のショールームをいくつか出店しました。スタッフがZOOMを利用して接客するというスタイルです。もしもそのスタイルが確立できたなら全国47都道府県に出店できるかなと考えたんですが……。

工藤 あまり受け入れられませんでした(笑)。

上島 リモート接客が受け入れられませんでしたね(笑)。お客様ご自身に採寸していただくというのが大きなハードルでした。

工藤 失敗でしたが勉強になったことはあって、やはり改めて「人が大事なんだ」と気づかされました。お客様は効率の良さよりも人に会いに来るんだなって。そこに人がいるから安心して足が運べる。基本的なことかもしれませんが、それを再確認させられました。

上島 実際にスタッフがいる渋谷と仙台のショールームはうまく運営ができていますから。今後金沢店がうまくいったら別の地域でもフランチャイズ展開を広めていきたいですね。もしこの記事をご覧になっている方で興味がある方がいれば、ぜひご連絡をいただきたいです。

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BUSHIZOというサービスネームは「武士道」と新渡戸稲造の「造」を組み合わせた造語。スタイリッシュなデザインのロゴとともに、剣道界での知名度を高めている
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取材はBUSHIZO渋谷ショールームにて。渋谷駅、恵比寿駅からも徒歩圏内というアクセスの良い立地に、数多くのメーカーの剣道具と竹刀が揃う。現在は渋谷のほかに宮城県仙台市、石川県金沢市にも店舗展開している

情報発信メディアとしても成長。
“みんなの期待に応えたくて”

──剣道用品の販売だけでなく、いまでは情報発信メディアとしての知名度も高いです。

上島 はい、2020年から「BUSHIZO TV」という動画配信サービスを開始しました。月額490円(税抜)をお支払いいただいてBUSHIZOプライム会員になっていただくと、通販サイトの送料が無料、そして「BUSHIZO TV」内の動画コンテンツが見放題となるサービスです。

 それまでは「販売」という部分でしか剣道家の方々にお役に立つことができていなかったのでなにか別の貢献ができないものかと。そこで当時剣道界を改めて見渡してみたところ、剣道の情報発信という分野には専門誌などの紙媒体しかないことに気づいたんです。

工藤 文字で伝えることの素晴らしさは当然私たちも感じているのですが、とくに初心者の方や海外の方などには映像で訴えかけたほうが伝わりやすい部分はあるのかなと。事実、私たちも自分たちのサイト上では過去にインタビュー記事などをアップしていたのですが、文字の場合はやはり届けられる対象が限定されてしまうという感覚はありました。

──強豪チームの稽古や強豪選手の技術ノウハウなど内容も充実していますが、いざ取材をして動画を編集するとなるとかなりハードルは高かったんじゃないですか?

上島 そうですね。私も工藤も取材経験も動画編集のスキルもありませんでしたからね。でも、剣道具販売についても通販サイトについてもなんのノウハウもないところからのスタートだったので、そこはあまり怖がらずに。もちろん失敗も多かったんですけど、動画編集も本を読んだりハウツー動画を参考にしたりしながら一歩ずつ進んできた感じです。

工藤 結局リリースまでには1年くらいかかりましたかね。取材を重ねてコンテンツを貯めながらシステム開発をしていって、という感じで。

上島 YouTubeチャンネル「BUSHIZO TV」も開設して、そちらには各動画コンテンツのダイジェスト版をアップしているのですが、ありがたいことに開設から2年ほどでチャンネル登録者数が2万人を超えました。その数字からもやはり求められていたのかなという手応えは感じています。

工藤 うれしい誤算としては、動画を観てはじめてBUSHIZOの存在を知ってくださったお客様がたくさんいたことですね。YouTubeチャンネルを観て「BUSHIZOってなんだ?」と興味をもって会社を調べてくださった。そして剣道用品を買いにショールームに足を運んでくださったお客様が多いんです。

──大会のライブ配信も大きな話題となりました。コロナ禍、中学生や高校生の大会は軒並み無観客開催となりましたが、BUSHIZO TVではそれらの大会の様子を生配信しましたね。

上島 ライブ配信は技術的にとても難しいことなので、いま振り返ればよくやろうと思ったな、と(苦笑)。

工藤 いや、ホントに(笑)。そもそもは高校体育連盟の先生方からの依頼がきっかけだったんです、「コロナ禍で会場には保護者の方々が入れない。どうにか保護者の方々にお子さんの試合を見せてあげたい」と。

上島 そう言われてしまうとね(苦笑)。私たちでできることであればなんとかしてあげたいなという気持ちになって。

──ん? もしかして、それはまさかボランティアで?

上島 そうですね、お金はいっさいいただかず、交通費、宿泊費も自腹ですね(苦笑)。もし配信をすることで皆さんに喜んでいただけたなら、弊社のサイトで剣道具でも購入していただけたらいいかなあ、というくらいで(笑)。

──ボランティアは一見美しい行為のようですが、剣道界においては大きな課題でもあると感じます。お二人の口からは言いづらいでしょうが、剣道界では好意に甘えて誰かに負担をかける例が多いですね。

上島 たしかに私たちの口からは言いづらいですが、実際問題、予算を考えるといまはなかなか配信のご依頼にお応えできないのが現状ですね。大会を配信してほしいというご依頼はとても多いのですが、さすがにマイナスが多すぎると我々としても厳しいというのが本音です。

──ライブ配信自体は業界の活性化にもつながる大事な試み。現状が改善することを願います。しかし、失敗を恐れずにいろいろな事業にチャレンジを続けるマインドがスゴいですね。

上島 いやあ、まあ私がそういう性格なので(苦笑)。

工藤 私としては上島が描くいろいろなビジョンにしっかりと伴走していくような意識で向き合っています。やはり剣道自体はとてもニッチな業界ですから、自分たちがより成長していくためにはどうしても新しいサービスをつくっていくことが欠かせない。そういう意味では彼が生み出すアイディアの数々が私にとってはとても頼もしいです。

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東京都渋谷区にある蔵修館金王道場で出会った2人。ともに現在も同道場で研鑽を積み、大会などにも積極的に参戦している

「守るべき」剣道のために
幅広い事業展開を

──もし新たな事業展開や今後の展望などがあればそれも教えていただければ。

上島 現状ではすでに剣道をやっている方々へのサポートはなんとかできているかなと感じるのですが、工藤の話にあったようにもう少し市場を広げるようなサービスもしていかなければいけないと考えています。

 たとえば初心者の方やリバ剣をされる方にとって道場はやはり敷居が高い場所。もっと気軽にスポーツジム感覚で剣道ができる場がつくれないものかと考えています。もちろんそれを実現するためにはお金や人が必要なことなので、なんとかそこまでの企業体力をつけなければなりません。いまはその大きな目標の実現に向けて、また新たな事業にも取り組んでいるんです。

──どういった分野の事業でしょうか?

上島 着目したのは「暮らし」ですね。剣道家の方々には当然日常生活があるわけで、剣道家の方々の日々の生活が豊かになるようなサポートができればと。実はすでに現在剣道以外の事業として軽貨物事業「ロジゾー」を運営しています。

 事業内容としては、軽貨物ドライバーの求人、軽貨物車のリースや中古車販売など。もともと剣道具の発送などで物流ドライバーの方々と会話をする機会は多くて、そのやり取りのなかで「物流業界は人手不足で」という悩みを聞いたことがきっかけではじめた事業です。

 もうひとつは、現在(2023年1月時点)はまだ一般の方向けのウェブページは準備中なのですが、不動産仲介業の「イエゾー」も新たな事業として展開していく予定です。

工藤 剣道家の方々でもし中古車の購入を考えている方や軽貨物ドライバーに興味がある方がいればぜひ「ロジゾー」にご相談いただいて、同じく剣道家の方々でもしマイホームのご購入や不動産投資などを検討されている方がいれば「イエゾー」にご相談いただければ。

上島 車も家も決して安くはない買い物ですから、やはり不安は感じるもの。そこでまったく知らない業者に依頼・相談するよりは剣道をやっている私たちのほうが剣道家の皆さんにも安心していただけるんじゃないかと考えたんです。

──幅広い事業展開ですが、それだけに大変そうですね。

上島 実際のところ大変です(苦笑)。でも、たとえばロジゾーは3年前からはじめた事業なのですが、これがあったからこそBUSHIZOは潰れずに済んだんです。コロナ禍、剣道界では大会どころか稽古も制限された時期もあって、その影響もあってやはり剣道具の売り上げは激減しました。そこで大きな支えとなったのがロジゾー。もともとは大切な剣道事業を潰さないように、そのリスクヘッジとしてスタートさせたものでしたが大ピンチのときにやはり助けとなってくれました。

──剣道事業は「守るべきもの」なんですね。

工藤 そうですね。そこはもうずっと変わらず、私たちの軸となっています。剣道事業をより進化させていくためにも、他事業をさらにがんばっていかないと。

──剣道事業の新たな展開も楽しみです。

工藤 直近のニュースですが、渋谷ショールームでも竹刀の店頭販売をスタートさせました。もともと「竹刀が欲しい」というお客様の声をいただいていたのですが、スペースや応対するスタッフの課題もあって実現できずにいたんです。ようやく体制も整ったこともあって、ついに販売開始です。ECサイト内で人気のある銘柄を中心に取り揃えているので、ぜひ手に取っていただければ。もし気に入ったならばそのままお持ち帰りいただけるので、ぜひ皆さんショールームに足を運んでいただければ。

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渋谷ショールームは月曜日から土曜日までは前日までの事前予約制。他の来店客を気にすることなくゆっくりと剣道用品を選ぶことができる。日曜日のみは予約不要のフルオープン、その日の急な来店にでもしっかりと対応してくれるのがうれしい
個人会員
特典
BUSHIZO渋谷ショールームご来店でお買い物いただいた場合、5%オフ割引適用させていただきます。
さらに3万円以上お買い上げの場合、初回に限り竹刀を半額でご提供いたします!
住所〒150-0011
東京都渋谷区東1丁目27−10 渋谷TYビル 7F
電話050-3136-0371

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